新治療院の気密測定

住宅兼治療室を新築することにした鍼灸師が、計画から完成後まで、家にまつわるあれこれを書き記します。
皆様がより健康で快適に過ごせる住宅を考える上で必要なことがらを、家の性能、お金、ライフスタイルなど様々な方向から検討します。
※2022年~2023年時点でのお話となりますので、今後の経済情勢や建材の進化・改良などにより不適切な情報となる可能性もあります。
十分にご留意の上でお読みください※


先日、建築中の住居兼治療室の気密測定をしていただきました。
建築を依頼した一条工務店では全棟の測定を標準で実施していて、中間測定でC値0.7を下回るよう徹底されています。

※C値とは…住宅の相当隙間面積のことで、家全体でどのくらいの隙間があるかを測定したもの。一般的には1.0以下を高気密住宅と呼びます。
気密測定について詳しくは日本住環境株式会社のサイトをご覧ください。気密測定について、とても丁寧に書かれています。

新治療室のC値は0.6、建物全体の隙間面積は75㎠となっていました。建物全体の隙間をひとつにまとめたら、8cm×9cm程度の大きさになった、ということですね。大人の手のひらサイズくらいでしょうか。これが家全体の隙間の総面積、というとかなりぴっちりとした隙間の少ない建物だなあという感想です。引き違いの窓を多く採用していますので、そういったところからの隙間かなという印象です。目に見える大きな隙間はほぼ無い、といった感じですね。

国の方針もあり、住宅の断熱性能(UA値といいます)が注目されているところですが、断熱性能を担保するためにはこのC値という実測値がとても重要と言われています。
どれだけ分厚い壁や窓で建物を造っても、隙間が大きければ断熱性能をうまく発揮できないですよね。考えてみれば当たり前だという話です。

ですがほとんどのハウスメーカーはこのC値の測定をやりません。何故かというのは様々事情があるようですが、標準で測定をやらないハウスメーカーではコストアップにもつながってしまうので施主にも負担がかかり、「やらなくてもいいや」となる施主も多いのが現状です。
ですが「高気密・高断熱」を謳う住宅メーカーが、気密測定をやらないというのはとてもおかしな話です。
先ほどの断熱性能(UA値)は、どんな建材をどのくらい使うか、断熱材は何をどのくらいの厚みで使うかなど「計算で出る」のですが、C値は「測定するもの」です。建築現場での施工精度の話なのですから、測定して確かめないと「隙間が少ない、高気密の家ですよ」とは言えないはずなのです。

精度よく丁寧に施工する。埋められる隙間は埋める。できれば断熱できる素材で埋める。

それだけの話なのですけどね…。

ですのでこれから家づくりをされる方、リノベーションを考えておられる方は、工事を任せる工務店やハウスメーカーの方に「気密測定はできますか?やったことがありますか?」という質問を投げかけてみるとよいと思います。
すでに建ててしまった方も、換気扇を回した状態で隙間風が入ってくるところを探して、コーキングで埋めるなどリカバリーをすればかなり快適になるそうです。コーキング剤やコーキングガンはホームセンターでも手軽に買えますし、お近くの工務店や内装屋さんにお願いしても良いかと思います。

完成して住み始めて、「高断熱住宅のはずなのに寒い…」とならないためには必須の項目が気密測定なのです。
ぜひ、すべてのハウスメーカー、工務店さんで当たり前のものにしていただきたいですね。

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