診療室のブログ

9月23日(土) 営業のお知らせ

9月23日(秋分の日)は通常どおり受付・治療いたします。

ライフプランシミュレーションのすすめ

住宅兼治療室を新築することにした鍼灸師が、計画から完成後まで、家にまつわるあれこれを書き記します。
皆様がより健康で快適に過ごせる住宅を考える上で必要なことがらを、家の性能、お金、ライフスタイルなど様々な方向から検討します。
※2022年~2023年時点でのお話となりますので、今後の経済情勢や建材の進化・改良などにより不適切な情報となる可能性もあります。
十分にご留意の上でお読みください※


今回はみんな大好きお金の話です。
住宅関連として書きますが、住宅検討中でなくても、どなたにでも聞いてほしいお話ですね。

ライフプランシミュレーションというものをご存じでしょうか。
自分や家族の現時点の年齢と収入、家計の支出項目。そして今後の年収の予想推移、今後予想されるイベント(出産、育児、教育、家の修繕や車の買い替えなど)の支出を想定し、5年後、10年後、20年後、30年後と、金銭的にどのような状況になっていくのかをシミュレーションするものです。

これが中々おもしろくて、夫婦二人のままだとこのパターン、子供が一人できたら何年後にはこういう支出が、大学は行かせてやりたいかとか、国立と私立でこれくらい違いますよとか、車は何年おきに買い替える予定にしますか?とか。
その上で、住宅ローンを組むならこれくらいの金額までは苦しくなくいけるかなとか、趣味の支出は少し減らさなきゃいけなくなるかなとか…そういったことがたくさん見えてきます。

特に子供への教育支出は驚くばかりで、人生の三大支出に数えられるのも納得です。(ほかの二つは住宅費と老後生活費、と言われます)概算ですが、世間の平均値として具体的に金額が見えると目を見張ります。

それらの「今後の支出」を予測することで、現状の家計(食費、家賃、光熱費、日用品費、通信費など)に住宅ローンや教育イベントなど様々な条件を加えて、今後生活が破綻せずにやっていけるのか、老後の資金を貯めていけるのか、子供にしてやりたい教育のお金は払えるのか等を考えます。

FP(ファイナンシャルプランナー)さんや、保険屋さんなどにお願いすれば、基本的には無料で診断してくれるところが多いと思います。
簡易的なものはウェブでもおこなえますし、興味がある人はぜひやってみてください。
金融広報中央委員会「知るぽると」などでも行えます→「ライフプランシミュレーションをしてみよう!」

あくまでシミュレーションなので、今後の自分たちの動向で変化も出ます。ですが今後のお金の心配を減らすために、またこれからどうやって稼ぎを増やしていくか、支出を最適化して豊かに暮らしていくかの方法などを考えるきっかけになるものです。

シミュレーションでひとまず家計は破綻しないことがわかった後は、これを実現もしくは最低限のラインとするためには、今後、自分が何をしなければいけないかが見えてきます。
仕事のスキルを上げたり転職したりで収入をアップさせることとか、家計の中で無駄な支出を削って少しでも貯蓄へ回すとか、将来を見越して取れるリスクの範囲で投資にチャレンジしてみるかとか。お金について真剣に考えるようになります。

健康に気を遣うというのも、そのうちの一つですね。
シミュレーションにおいては「何年後に病気をして入院」ということは基本的に考えないからです。

万一の病気の時の備えとしては…高額療養費制度を利用しつつ貯金で賄うか、それとも保険で…といったことは考えるものの、具体的に何年後に病気をして、というシミュレーションはありえないですね。

ということは、シミュレーションしたライフプランを遂行しようと思うと、その前提条件は「健康でいること」が必須となります。
日々の生活リズムを整え、おおよそ正しい食生活、運動習慣。そして定期的な検査とメンテナンス。これが基本かつ王道ですね。余計なサプリなどはあまり必要ありません。

健康でいることの経済効果というのは、実は凄いことなんですね。
自分が働けなくなるだけで、家計に与える影響は年間で数百万円以上となります。運動や食事や、歯の治療、そして鍼灸などで定期的な体のメンテナンス。ここに投資する価値は大いにあると思います。投資額に対してリターンがとても大きいのです。

さて、今回はライフプランシミュレーションのすすめから、健康に気を遣うことの大切さを書いてみました。
お金のことは本当に大事です。
学校などでお金のことを教わる機会が少ない現状ですので、自分で調べて知識を身につけないと、金銭的にはとても損をして過ごしていくことになってしまいます。

物価も上がり、生活コストはこれからも上がり続けると予測されていますので、それぞれに防衛策を考え、実行していきましょう。

私が参考にしている住宅関連の発信者

住宅兼治療室を新築することにした鍼灸師が、計画から完成後まで、家にまつわるあれこれを書き記します。
皆様がより健康で快適に過ごせる住宅を考える上で必要なことがらを、家の性能、お金、ライフスタイルなど様々な方向から検討します。
※2022年~2023年時点でのお話となりますので、今後の経済情勢や建材の進化・改良などにより不適切な情報となる可能性もあります。
十分にご留意の上でお読みください※


今回は、私が参考にしている住宅関連情報の発信者さんをまとめます。ブログなどはかなり読みごたえもボリュームもあるので最初はちんぷんかんぷんかもしれませんが、それだけ皆さんの「このままの住宅業界ではいけない」という熱量が凄いのです。
後半には「良い会社、良い営業を見極める質問」も載せていますので、最後まで目を通していただけると幸いです。

今はYoutubeやInstagramやブログなど、様々な媒体でたくさんの情報を得ることができる時代ですね。
ですが情報も玉石混交で、PV数稼ぎのために不安を煽るだけのものも多くあり、その内容は薄い、もしくは聞く価値のないものもあります。

参考にすべきは圧倒的に「実務者さん」か「学者レベルで研究や勉強をしている人」「その道のオタクとしてテーマを深堀りし続けている人」です。
私が参考にしている方々の発信内容がすべての人にとって必ず良い結果となる、という保証はできませんが…参考にしていただければと思います。

とにもかくにも、「何も考えずに『間取り・デザイン・初期価格』で家を買ってはいけない」ということをお伝えしたいのです。
ホームページやブログのリンクも併せて貼っておきます。名前の後ろの部分をクリックまたはタップしてください。

・松尾和也氏(松尾設計室)

・西方里見氏(西方設計)

・フエッピー氏(ブログ「家は、空調。」24時間全館冷房(除湿))

・本橋哲幸氏(ラクジュ‐スタイル)

・住宅四天王エース氏(Youtube:住宅四天王 エース【注文住宅の建て方解説】)

・塩澤崇氏(モゲチェック・住宅ローンのポータルサイト)

・せやま氏(家づくり せやま大学)

 

日本の住宅業界はものすごい闇だと言われます。
買い手(住まい手)のことが優先ではなく、企業の利益、営業の実績が平気で優先されるケースが多々あるとのこと。
これは戦後の焼け野原から高度経済成長期にわたって、とにかく安価で多くの住宅を供給しなければならなかった時代の名残ともいわれます。

早く、安く家が建てられる工法、建材が重視され、快適に住まうという目的が後回しにされ続けてきた結果だそうです。
しかも住宅というのはほとんどの人にとって一生に一回の買い物ですので、会社や商品を見極める目が育つはずもなく、住宅会社や営業さんの言われるがままにしてしまいたくもなります。

車の購入などは燃費を比較したり装備を比較したりしますね。そして何回も買い替えていくもののため、その都度見極める目も育ち、変な買い物はしなくなります。しかし住宅ではそれができないのです。
また車を買うとき、後部座席にはエアコンが効かないなんてことは想像もしませんね。だって後部座席にも当たり前にエアコンは効くように設計されていますし、買う側の私たちもそれを疑わないわけです。

しかし住宅業界ではなぜかそうではないことがまかり通っている、というのが現状のようです。
買い手が成長しないため、売り手もまた「これくらいでいいだろう」「国が定めた最低限の基準を満たせば、住まい手がどう感じるかは関係ない」と大きな態度でいられるのです。

筆頭に挙げた松尾氏が言うには、「住宅会社や営業さんが信頼に足るかどうかを判断する質問」として「その根拠はなんですか?」「気密測定をやっていますか?(やったことがありますか?)」という二つを挙げています。これでその会社や営業さんが具体的な根拠(数字)や実績をもって説明してくれればいいということです。
根拠がなければ、個人の感想や雰囲気で乗り切ろうとするポエムが連発されます。

「いや、大丈夫ですよ」
「今の家は、皆さんこれくらいですよ」
「十分暖かく(涼しく)なりますよ」
「数値はあまり当てになりませんよ」

等々…。

当たり前ですが、会話が嚙み合わない担当者と家づくりをしてもうまくいくはずがありません。
わざと話をはぐらかすのなら、なおさらですね。
わからないことはわからないと言うとか、「あなたの考えでは、うちの家づくりのコンセプトとは合わないと思います」と正直に言ってくれた方がよほどマシです。

先ほどの質問をしたり、松尾氏が掲げる「住宅に求める必須6項目」を満たすハウスメーカーや工務店を探すと、おそらく地域に2~3件、悪ければ1件もないという事態が起こり得るそうです。
それくらい、日本の住宅事情は遅れていると。ですがやはりここを目指さないと、暑くて寝苦しい家になったり、冬に底冷えする家になったり、光熱費がかさんでしまう家になったりするのです。

世界的に遅れている日本の住宅事情は、変わっていかなければいけないのですね。
では今回はこのあたりで。

住宅に関する優先順位の三段階

住宅兼治療室を新築することにした鍼灸師が、計画から完成後まで、家にまつわるあれこれを書き記します。
皆様がより健康で快適に過ごせる住宅を考える上で必要なことがらを、家の性能、お金、ライフスタイルなど様々な方向から検討します。
※2022年~2023年時点でのお話となりますので、今後の経済情勢や建材の進化・改良などにより不適切な情報となる可能性もあります。
十分にご留意の上でお読みください※


こんにちは。
今回は「住宅に関する優先順位の三段階」と題して書いてみます。

新築するにしても中古住宅を買うにしても、戸建てを選ぶにしてもマンションにするにしても、もうしばらくは賃貸でいくとするにしても…押さえておきたい考え方です。

あなたの「住宅に求める優先度の高い項目」はなんですか?

広くて明るいLDK。使い勝手の良いキッチン。掃除の手間が少ないお風呂やトイレ。家族や友達と楽しめる素敵な庭。趣向を凝らした趣味のお部屋…etc

人によって優先順位が異なるものはあるかと思いますが、これらはどれも捨てがたい内容ですね。
しかしこれらは、今回お話しする三段階の三段目。住まいの必須条件を考える上での順番としては最後になります。

◎最優先項目は「安全性」

住宅の役割で最も重要なことは何か。それは「命を守ってくれること」「安全であること」ですね。シェルターとしての役割が最も優先されるべきものです。
地震や台風が数多くやってくる日本においては、「耐震性」と、その耐震性を長期間にわたって維持できる「長期耐久性」がとても重要となります。これが住まいの一段階目です。

過去の大災害での被害を基に、耐震性能など建物に関する基準は改定が繰り返されています。2023年現在の耐震等級は1~3が定められており、耐震等級1は「震度6強~7の地震に一回は耐え、倒壊しない」レベル。耐震等級2はその1.25倍、耐震等級3は1.5倍の耐震強度を、構造計算によって導きだすということです。
これだけ読むと「耐震等級1があれば十分じゃないの?」と思われるかもしれませんが、「震度6強~7の地震に一回は耐え、倒壊しない」とは、言い換えれば「逃げる時間は稼げます。そのあと同じように住み続けられるかはわかりません」ということです。

熊本地震での記憶は新しいですが、史上初めて震度7の地震が短時間に2回起こったという事実があります。
実際に熊本県で被害の大きかった地域も、一度目には耐えたけど二回目で倒壊してしまった家屋があったそうです。
震度7が二回はとても珍しいとしても、巨大地震が起これば震度5弱や5強といった余震は数多く起こります。
耐震等級1では、本震を耐えたとしても余震で家の構造が耐えきれなくなり、住み続けられる家ではなくなってしまう可能性が大いにあると考えた方が良さそうです。耐震等級3を必ず備えた家づくりにしたいですね。

また、強風についても耐風性という計算があるそうですが、耐震性能が十分であれば耐風性もほぼ間違いなく担保されていると考えてよいそうです。強風に対しての備えというのは、建物のデザインであまり突飛なことをしなければ問題はなさそうです。
なお「耐震等級3相当」と謳う住宅メーカーもありますが、「耐震等級3」と「耐震等級3相当」は明確に違うことだそうですので、十分に注意してください。
「耐震」と「免震」は、車で言うと「ボディ、フレームの頑丈さ」と「タイヤ、サスペンション、エアバッグやシートクッションの性能」にあたります。
交通事故で大きなエネルギーが加わったとき、頑丈でなければ車ごと壊れてしまいます。いくら衝撃を吸収する性能が高くても、本体が弱ければ事故前と同じ性能でいることはできません。フレームが曲がってしまった車に乗るべきでないのはわかりますね。住宅においても同じで、まずは「頑丈さ」を求めるのが先となります。

住宅の長期耐久性についてですが、こちらも必ず考えておかなければいけません。日本という高温多湿であり、風水雪害もあり、地震が繰り返しやってくる土地においては、新築してもやがて建物は傷みます。いくら耐震等級3を取得していても、柱や壁がシロアリに喰われ、屋根や壁に水が滲みてカビや腐朽菌にやられてしまった家では、建築当時と同じ強度であるはずがありません。
メンテナンスは必ずいります。そのメンテナンス性を高めておくこと、さらには「あまりメンテナンスしなくてもよい性能」を住宅に備えておくことがとても重要になります。

◎二段階目は、トータルコスト

さて、そして二段階目です。ここには「気密性能、断熱性能、防犯性能など、日々の暮らしを快適にし、かつ生活コストを下げてくれる住宅性能」がきます。
「トータルコスト」と言い換えてもいいでしょうか。住まいを考えるにあたっては、これもやっぱりデザインや意匠性よりも優先されます。
ここではざっと述べますが、気密とは「家のすき間の小ささ」を言い、C値という言葉で表されます。断熱性とは「住宅の熱の逃げやすさ」を言い、UA値で表されます。どちらも数値が小さい方が高性能となります。

住宅に性能差があるということを、私も自宅の新築を通して初めて知りました。
高性能な住宅は、冬に寒くなく、夏に暑くなく、カビやダニの心配が少なく、それでいて光熱費がとても安く済むそうです。(ここはまだ、私も自分事として経験していませんので悪しからず…)

以前の記事にも書いたHEAT20のG2レベルの数値が、住宅において目指すべき基準となります。岡山県津山市や鏡野町においては、国の省エネ基準で定められている地域区分の4地域と5地域が混在しています。ですので4~5地域のG2レベルに対応した住宅性能を目指すのが良いでしょう。
UA値にして0.34~0.48が、津山市においての目指すべき数値になります。
参考:「住宅シナリオと外皮性能水準」

細かいことを言うと、数値合戦になってもあまり意味は無いそうで、冬を暖かく過ごすには日射取得といった「太陽に素直な設計」が考えられているかとか、窓や玄関ドアなど住宅開口部の断熱性能の方が重要とか、数値だけでは評価できない点も色々とあるようです。

トータルコストという考え方は、いわゆる初期費用のみ(建築費、土地代、申請諸費用など)で住宅を考えるより、そのあと10年20年30年と長期間にわたってかかるコストを考えていきましょう、ということです。
例えば、土地1,000万円、低性能住宅に2,200万円、その後30年で光熱費+修繕費などで2,000万円、計5,200万円の住宅と、
土地1,000万円、高性能住宅に2,600万円、その後30年で1,400万円、計5,000万円の住宅。

30年間で200万円はそこまで大きく感じないかもしれませんが、これに「快適な住み心地」というものが付いてきます。
30年間、夏暑く冬寒い家に住みトータルコストも高くなるのか、夏も冬も快適に過ごせてトータルコストも安くなるのか、ということです。
ごく単純な例えなので金額はテキトーですが、考え方としてはご理解いただけるかと思います。

◎最後に積むのは「使いやすさと好みの見た目」

そして最後に「デザイン、意匠性、家事動線の良い家」を考えることになります。
これを最優先にしてしまいやすいのがほとんどの人だと思います。私も妻もそうでした。また、ほとんどの住宅メーカーもここを最も強調してアピールするところだと思います。
「どういう生活をしたいか」「少ない家事動線で楽をしたい」などはもちろん考えていくことになりますが、優先度はあくまで上記の二つが高いのです。
いくらデザインが良くても、地震で壊れる可能性が高く、初期コストもトータルコストも高くなり、光熱費も高く、夏は暑く、冬は寒い住宅に住みたいですか?という話です。
逆に、二段階目で書いたように、性能の高い家では部屋干しでも洗濯物が乾きやすかったり、光熱費をあまり気にしなくて良くなるので冷房や暖房を十分に使って暮らしやすくなるといったメリットが出てきます。デザインと使い勝手は相反することもあるので、新居での基本の生活スタイルをよくイメージして間取りやデザインを考えたいですね。
家族や友人が集まったときのイベント事ばかりイメージして設備や間取りを選ぶより、まずはそこに暮らす自分たちの普段の生活をしやすくする方が優先となります。

長くなりましたが、今回はこのへんで。
次回は「私が参考にしている、住宅関連の情報発信者」をまとめたいと思います。

 

夏季休業お知らせ

あっという間に8月に入りましたね。ひと月ひと月が本当に早く感じています。。。年ですかね。

8月11日(金・祝) 通常どおり受付、治療
12日(土) 通常どおり受付、治療
13日(日)~15日(火) お休み

食べるもの、飲むものに冷たいものが増えてきて、胃腸の調子が良くない方が多くなってきました。
胃腸が崩れると夏バテに繋がりかねません。お灸でしっかり治療しておきましょう。

エアコンをつけましょう

いきなりの猛暑ですね。まだ暑さに体が慣れきっていない人が多い印象です。
電気代の高騰はどうしても気になりますが、家にいる時間もきちっとエアコンをつけて、できるだけ体力を温存してください。

27℃程度に設定した冷房運転で風量は「自動」にしておけば、部屋の広さや気密断熱性能にもよりますが、せいぜい多くて一日300円~400円程度の電気代です。
暑さ対策グッズを買ったり、熱中症対策にとスポーツドリンクや飴などを買い込むとそんな程度では済みません。
また体力消耗して夏バテになれば生活の質が落ちてしまいます。
熱中症になって入院してしまっては少なくても数万円かかります。

一日数百円でできる、手軽で最強の対策が「適切に冷房を使うこと」なのです。
冷房も、自分の判断でスイッチを入れたり切ったりしていては余計に電気代がかかってしまうことも、ご存知の方も多いはずです。
温度さえ設定してしまえば、あとはエアコンに任せて風量を「自動」にしておいてください。

できれば、夜に眠るときもです。

十分な睡眠をとっていないと、熱中症のリスクがあがるとされています。
睡眠は健康の基礎です。夜中に暑さで目が覚めることの無いよう、就寝中もエアコンはつけっぱなしが望ましいですね。
エアコンの風がどうしても苦手な方は、水を入れたペットボトルを凍らせ、そのボトルをボウルに入れて寝室に置きましょう。
これも最近よく紹介されている方法ですが、凍らせたペットボトルに結露させて簡易的に除湿をするものです。

冷たい飲み物、水分水分となる前に、まずは適切に空気を管理していきましょう。

 

復帰しました

7月19日(水)から新型コロナの症状が出ましたのでお休みをいただいておりました。この間、ご予約をお断りした皆様には大変ご迷惑をおかけしました。
25日(火)から治療室を再開しておりますので、体調でお困りの方はご連絡ください。

なお咽喉の痛みのみ少し残っておりますので、時折お聞き苦しいことがあるかもしれません。
その際はご寛容いただければ幸いです。

7月22日まで臨時休診のお知らせ

同居している家族が新型コロナ陽性となってしまいましたので、ひとまず7月22日(土)までを臨時休診といたします。
ご理解の程お願いいたします。

7月24日以降につきましては、症状の経過をみながら決定いたします。

私が新築を選んだ理由

住宅兼治療室を新築することにした鍼灸師が、計画から完成後まで、家にまつわるあれこれを書き記します。
皆様がより健康で快適に過ごせる住宅を考える上で必要なことがらを、家の性能、お金、ライフスタイルなど様々な方向から検討します。
※2022年~2023年時点でのお話となりますので、今後の経済情勢や建材の進化・改良などにより不適切な情報となる可能性もあります。
十分にご留意の上でお読みください※


こんにちは。
この記事では「私が新築を選んだ理由」について書くことにします。

まずは端的に申し上げましょう
・テナントと住まいの家賃を払い続けるのがもったいなく感じてしまったから
・寒い住まいが体に与える影響を考えるようになったから
・間取りの自由度

主な理由はこの三点です。

ひとつめはわかりやすいですね。おそらくほとんどの方が同意くださることでしょう。
2022年1月に結婚し、それまでは津山院のために借りていた物件だけで済んでいたところ、新生活のためにアパートを借りることになりました。
治療院の家賃に、アパートの家賃。さらに二件分の光熱費がかかります。光熱費は基本料だけでも倍額ですので、月に3~4千円は多いですね。
そしてアパートは二人暮らしには良いものの、ではここで一生ずっと生活するのかというとそんなイメージも持てず。

しかしこの理由だけであれば、「中古住宅でもいいじゃないか」となります。新築にするという理由には少し弱いのですね。金銭面で言えば中古住宅でも良いわけですから。

そこでふたつめの理由、「寒い住まいが体に与える影響を考えるようになった」という点についてです。
妻は県南の暖かい地域出身で、結婚して津山に来たのが1月という寒さの底の時期でした。
もともと寒さに弱いこともあり、引っ越してきてからも家の中まで寒い、寒さで首や肩がこると愚痴がこぼれることがほぼ毎日。
そしてひとつめの理由から家探しを始めていたことで、あるモデルハウスを見学させてもらったこともこの考えの後押しになりました。
そこでは「冬でも家全体を暖かく保つことで、浴室やトイレといったところで起きやすいヒートショック現象を格段に減らすことができる」との説明がありました。
それまでなんとなく言葉としては知っていたものの、自分は鏡野の寒い環境で育ってきたこともあり、「お風呂や脱衣場なんて寒いのが当たり前」となっていたのであまり自分事としては考えてきませんでした。むしろ寒い冬に、寒い脱衣場から温かい湯船につかることの気持ちよさと言ったらもう…!という感覚すらありました。

しかし妻の体調の話もあり、私自身も治療家として「寒さにあたるのはほどほどに」「暖かくして過ごしてくださいね」と皆さんに声をかけていることに、今更ながら思い当たったわけです。

お風呂場でのヒートショックによる死者数は、推計ですが年間1万7千人とも、1万9千人ともいわれます。
熱中症が年間7百人程度、交通事故が3千人前後の死者数ということですから、自宅(お風呂場やトイレ)で倒れる人が意外なほど多いことがわかりますね。
参考:STOP!ヒートショック ヒートショックによる死亡数
2020年の交通事故死者数は2839人、統計開始以来最小を更新し初めて3000人を下まわ

私が子供のころ、約30年前は交通事故による死者数が年間で1万6千人を超えていたようです。
それが飲酒運転の厳罰化や車の安全性能向上などにより、交通事故で亡くなる方は8割以上も減ったことになります。

今後さらに高齢化していく日本において、自宅内のヒートショック現象による死者数は増加すると思われます。
そして国はここに重点的な対策をしてくることも想像できますし、すでに始まっている点もあります。これからさらに住宅の基準値の改正や、最低限の住宅性能の引き上げなどがなされていくと思います。

少し話がそれましたが、住宅性能の話を聞いていくに従い、寒暖差が少ない家を求めることは時代の必然になってきていることに気が付いたわけです。

そしてこの時点で、中古住宅という選択肢が消えました。最初のお金は中古住宅よりかかるけれども、住まいの快適さと病気のリスクが減少する選択をしようと決まったわけです。

また温度差だけではない、カビやダニといったものもこの「より健康に過ごす」という要素として無視できません。
アレルギーを起こしたり、酷くはなくともかゆみなど不快な症状を引き起こすものですので、カビやダニが発生しにくい住宅を求めることにしたのです。
寒暖差については断熱性能と気密性能、カビやダニについては湿度管理性能が特に影響します。
建材の改良と住宅建築への考え方の変化、空調設備機器の進化によって、これら健康を損なうリスクの高いものをかなりのところまで排除できる住宅が、現在では可能になっているのです。

最後に「間取りの自由度」という点です。
鍼灸院は「保健所から開設許可を得た医療施設」ですので、それなりに法律の縛りがあります。
最低限の広さ、消毒設備の有無、施術室と待合室は独立した部屋であること、そして住居と出入口を分けなければいけない、などです。
中古住宅ではこれらを満たすことができず、リフォームなどするにしても結局は新築同様かそれ以上の金額になるということで。
であれば住宅性能を担保できる新築にしよう、という結論です。

今回は私の場合はということでお話をしてきました。
これから住宅を検討する人には、それぞれの事情があることでしょう。経済面、家族関係、仕事関係などなど…様々な要素を考えたうえで最も適したものを選ぶことができるといいですね。

もうひとつ。
東洋医学や東洋思想の観点からすると「高性能住宅に住むこと」や「新築するということそのもの」は理に反するようにも思えます。季節による影響を考慮するのも東洋医学のうちですから。
しかしそれを言ってしまえば、「では江戸時代や、もっと古代の暮らしにまで戻るのか」という問いには答えなければなりません。
自然派の暮らしをしたい人も、電気やガスを使い、車を使って生活しているのが実情ですから。

住まいを快適にして心身の負担を減らすことで、より健康に生きることができる。

これはむしろ人類が大昔から求め続けてきた自然な姿であって、何もそのことに抵抗する必要はありませんね。
東洋医学の治療も、現代の生活に合わせてその内容は少しずつ変わっていっています。変化していくことが自然な姿なのですね。
今回はこのあたりで。次回記事もお楽しみに。

持ち家か賃貸か、新築か中古か②

住宅兼治療室を新築することにした鍼灸師が、計画から完成後まで、家にまつわるあれこれを書き記します。
皆様がより健康で快適に過ごせる住宅を考える上で必要なことがらを、家の性能、お金、ライフスタイルなど様々な方向から検討します。
※2022年~2023年時点でのお話となりますので、今後の経済情勢や建材の進化・改良などにより不適切な情報となる可能性もあります。

十分にご留意の上でお読みください※


前回記事「持ち家か賃貸か、新築か中古か①」の続きです。

次に新築か中古かを考えたとき、大きな違いはこちらもやはりコストのかかりかたでしょう。人によりどちらも正解になり得るところですので、自分や家族の価値観とよく相談して選ぶことが大切ですね。

おそらくですが、ほんの数年前までは家を買うと言っても施主があれこれと考えることはほとんどなく、せいぜい間取りと立地と「ローンの支払額が妥当かどうか」という点くらいだったのでしょう。
ですが今では残念なことに、簡単に快適な家が手に入る確率はとても低いというのが現実のようです。
家を買うときは、とにかくコスト面について考え抜く必要があります。でなければ生涯で数百万円、数千万円の違いが出てきかねないからです。

コストと言っても購入時にかかる初期(イニシャル)コスト、日々の生活にかかるランニングコスト、一生涯で支払うトータルコストを考える必要があります。
まず私が考える新築と中古のメリットデメリットはと言いますと、

メリット デメリット
 

新築住宅

・家の性能を確保しやすい(冬に寒くない、夏に暑くない、耐久性が高い等)
・デザイン、家事導線など暮らしの満足度が上がりやすい
・性能の高い家であればランニングコストが安い
・初期コストが高くなりがち
・計画から引っ越しまで時間がかかる
・気軽に引越しできない(隣人トラブルなど)
・家族構成の変化に対応しにくい(離婚、子供の一人立ち、親の介護等)
 

中古住宅

・初期費用が新築に比べて安い(物件価値の下落、税金や新築時の諸費用除外できるなど)
・リフォーム、リノベーションにより部分的には快適にできる。
・引っ越しまでの期間が早い
・家の性能が担保されていない(築浅物件でも2023年時点で求めたい性能はほぼ満たしていない)
・低性能なのでランニングコストが高くなりがち
・家事導線の不自由さなどは賃貸と変わらない可能性が高い(水回りの配置などは変更しにくい)

おおよそ上記のようにまとめられます。

違いは「コストがかかる時期」です。

一般的に新築は中古に比べて初期コストは高いものになります。世間の多くの人は「安いほうがいい」と、安易に住宅に安さを求めてしまいがちですが、ここは一度立ち止まってしっかり考える必要があるところだと思います。
特に日々の生活、ランニングコストという面からみると新築の方がはるかに安くすることが可能で、生涯で家に支払うトータルコストは同じくらいに落ち着くのではと考えています。実際には、何年くらいその家に住むのかという期間の長さが問題になるのですが、ここもかなり説明が長くなるので一旦割愛します。
最終的に生涯で支払うトータルコストが同じくらいになるのであれば、初期費用を頑張れるだけ頑張って、できるだけ性能の高い快適な家を選んだ方が日々の満足度は高くなるのではないでしょうか。ここは私が新築を選んだ理由の一つでもあります。

ランニングコストに挙げられるのは「修繕費」と「月々の光熱費」ですね。
修繕費は新築にしても中古にしても必要で、家は必ずメンテナンスしていかないといけないものです。
壁材、屋根材、工法の違いや日射その他環境要素によってメンテナンス頻度は変わりますのでコストの比較はとても難しいのですが、新築にしても中古にしても、10~15年に一度は何かを直すために100万円、200万円といったまとまった出費を備えておかなければいけません。中古を購入した場合は、購入時点で何かを直してから住み始めるといったこともあるかもしれませんね。それはランニングコストというよりイニシャルコストです。

新築と中古の違いが大きく出るのは光熱費です。

光熱費は電気、水道、ガス、灯油といった生活に必要なエネルギーに支払うお金ですね。
これは年々少しずつ上がっていく傾向にあります。緩やかなインフレは正常な経済の発展ですからね。
ですが特にと言いますか、ここ1年程度の電気代の値上がりはご承知の通りで、経産省の試算では今後も年3%程度は上がっていくとされています。
住宅を高性能化することでかかる初期コストと、それによって30年間~40年間節約できるランニングコストを比較して、生涯で払うトータルコストを少なくできる選択をするのが、最も賢い住宅の買い方であると考えます。
参考:高性能住宅の建築費とランニングコスト

断熱性能、気密性能などが低い住宅を選んでしまった場合、せっかく買った家なのに「暑い」「寒い」が当たり前で、光熱費を抑えるために一生懸命節約し続ける日々を送ることになってしまいます。

日本の住宅性能は先進各国に比べて著しく低いそうです。それがここ数年で大きく変わり始めました。ようやく世界の標準に追いつこうという流れができてきつつあるそうです(それでもまだまだ遅れているとのこと)。
2023年時点では「断熱性能(UA値:外皮平均熱還流率)」という言葉が大流行りです。というのも、国が定める住宅の断熱性能基準が4段階から7段階へと引き上げられ、これまで4が最高だった断熱等級は7が最高となりました。
そのため今後の住宅業界においては「うちは断熱等級5ですから光熱費は少なくなりますよ」「うちは断熱等級4(過去の最高基準 )でして、それでも十分なんですよ」といった「断熱等級に特化した営業」がしばらく続くことでしょう。
光熱費は断熱等級だけで決まるものではないので、営業トークに惑わされないようにご注意ください。

UA値など住宅の性能を表す数値は、結局どの程度のものが必要なのか。
これはHEAT20という基準がよい目安になります。国の省エネ基準とは少し違う観点からまとめられたさらに厳しい基準で、G1~G3まであります。
既存の住宅のほとんどはG1にも満たない性能、だそうです。
私の意見としてはHEAT20のG2以上を求めたいところです。日本のどこの地域に住むかによって、同じ性能値でもG1だったりG2だったりするのですが、岡山県の津山市、鏡野町といった冬の冷え込みの厳しい土地ではG2レベルが欲しいなと思います。
ちなみに暖房費の試算があるのですが、従来の一般的な性能の住宅では7万円/年とすると、G2住宅は3.5万円/年とほぼ半分になるそうです。暖房費だけでこれです。
さらに高性能化することでトイレやお風呂といった部屋の温度差も少なくなり、健康リスクも減ることが報告されています。心筋梗塞などのリスクが減るということは、経済面での恩恵は計り知れないですね。

中古住宅でも内窓を追加したり、床下や天井裏に断熱材を追加するなどして性能を上げることはできますが、総じて新築より高コストになりがちです。
であれば新築時によく検討して十分な性能を備えた住宅にしたほうが、経済的にも健康面でも良い結果になりそうですね。

新築と中古の比較を、主にお金の面からみてきました。
よほど初期費用が限られてしまう場合を除いて、私は新築を推します。むしろ参考にした松尾設計室のブログにもあるように、ある程度の住宅性能を備えた家を買えないという家計状況であれば、住宅購入の計画を延期する方が良いと考えています。
家は自分と家族の生活を守ってくれるものでなければいけません。
性能が十分でない家を買ってしまうことで、温度差やカビやダニに起因する健康リスク、光熱費が高くなることによる経済リスクを負ってしまいます。家を買ったと言っても、これらのリスクが今よりも上がってしまうのでは全く意味がありません。

家の購入を考えるとき、間取りやデザインが優先されるのではなく、目には見えない住宅の大切な役割をしっかりと考えることをぜひ優先してください。
目に見えないものが大切、というのは東洋医学の氣も同じですね。
見えないけど役割がある。ないがしろにすると健康を損なうものです。

治療と家と、こんな共通項もあるようです。

次回は私が新築を選んだ理由や、ハウスメーカーの選び方など書いていくことにしましょうか。
ではまた。

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