診療室のブログ

津山院、移転前最終日のご案内

こんにちは。
大寒の直前、寒さの底の時期となってきましたね。雪はほとんど無いものの、ときおり厳しく冷え込む日があります。
体調管理には気を付けてお過ごしください。

さて、かねてよりお知らせしていた津山院の引っ越しが近づいてきました。
現在の津山市上河原での治療は、2月23日(金・祝)が最終日となります。

津山市山北に移転いたしますが、移転後の再開日は未定です。3月下旬か4月上旬を見込んでいますが、駐車場のコンクリート施工が気温や天候、職人さんの都合により計画が前後しますので、確たるお約束ができない状況です。

場合によっては、3月上旬に再開し、工事の見通しが立ってから休止期間をあらためて設ける、という形をとるかもしれません。

来院くださる皆様にはご迷惑をおかけしますが、しばらくの間のことと、ご理解いただければありがたく思います。
以上、よろしくお願いいたします。

年頭のご挨拶

2024年が始まりました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。変わらず、皆様の健康管理、病苦除去につとめて参ります。

さて、元日から能登半島での大地震が起こり、大変な被害が広がっています。
心よりお見舞い申しあげるとともに、亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。

今年は当院にとっても大きく動く年となります。
新築移転を目前に控えてひとり心落ち着かない日々を過ごしていますが、様々な段取り、手続きを進めているところです。
引っ越し・移転は本当に様々な手続きが必要ですね…書き出すだけでも大変です。

上河原にある津山院の閉院日は今のところ、2月23日(金)を予定しています。
移転先での再開時期は未定です。3月半ばごろ~4月を見込んでいますが、移転先の駐車場工事の進み具合で変わります。
津山院が再開するまでは、基本的に鏡野院での受付・治療となります。
2月23日までは通常どおりでやっていきますので、体調不良や痛みなどご相談ください。

年末年始の予定

年末年始の開院・休診予定をお知らせします。

年内は12月30日(土)まで通常どおり受付・治療いたします。
年始は1月5日(金)から、通常どおりの開院です。
なお、1月6日(土)の午前中と13日(土)は、年始行事出席のため治療室はお休みいたします。

12月17日(日)ごろから、強い寒波がやってくる予報となっています。年末の体調管理はしておいてくださいね。

また、来年2月末には治療室引越しのため津山院を一旦閉じることになります。この件は新治療室の工事終了時期が明確になりましたらあらためてお知らせをいたします。
多くの方にご迷惑をおかけいたしますが、リニューアルする新治療院を楽しみにお待ちくださいませ。

新治療院の気密測定

住宅兼治療室を新築することにした鍼灸師が、計画から完成後まで、家にまつわるあれこれを書き記します。
皆様がより健康で快適に過ごせる住宅を考える上で必要なことがらを、家の性能、お金、ライフスタイルなど様々な方向から検討します。
※2022年~2023年時点でのお話となりますので、今後の経済情勢や建材の進化・改良などにより不適切な情報となる可能性もあります。
十分にご留意の上でお読みください※


先日、建築中の住居兼治療室の気密測定をしていただきました。
建築を依頼した一条工務店では全棟の測定を標準で実施していて、中間測定でC値0.7を下回るよう徹底されています。

※C値とは…住宅の相当隙間面積のことで、家全体でどのくらいの隙間があるかを測定したもの。一般的には1.0以下を高気密住宅と呼びます。
気密測定について詳しくは日本住環境株式会社のサイトをご覧ください。気密測定について、とても丁寧に書かれています。

新治療室のC値は0.6、建物全体の隙間面積は75㎠となっていました。建物全体の隙間をひとつにまとめたら、8cm×9cm程度の大きさになった、ということですね。大人の手のひらサイズくらいでしょうか。これが家全体の隙間の総面積、というとかなりぴっちりとした隙間の少ない建物だなあという感想です。引き違いの窓を多く採用していますので、そういったところからの隙間かなという印象です。目に見える大きな隙間はほぼ無い、といった感じですね。

国の方針もあり、住宅の断熱性能(UA値といいます)が注目されているところですが、断熱性能を担保するためにはこのC値という実測値がとても重要と言われています。
どれだけ分厚い壁や窓で建物を造っても、隙間が大きければ断熱性能をうまく発揮できないですよね。考えてみれば当たり前だという話です。

ですがほとんどのハウスメーカーはこのC値の測定をやりません。何故かというのは様々事情があるようですが、標準で測定をやらないハウスメーカーではコストアップにもつながってしまうので施主にも負担がかかり、「やらなくてもいいや」となる施主も多いのが現状です。
ですが「高気密・高断熱」を謳う住宅メーカーが、気密測定をやらないというのはとてもおかしな話です。
先ほどの断熱性能(UA値)は、どんな建材をどのくらい使うか、断熱材は何をどのくらいの厚みで使うかなど「計算で出る」のですが、C値は「測定するもの」です。建築現場での施工精度の話なのですから、測定して確かめないと「隙間が少ない、高気密の家ですよ」とは言えないはずなのです。

精度よく丁寧に施工する。埋められる隙間は埋める。できれば断熱できる素材で埋める。

それだけの話なのですけどね…。

ですのでこれから家づくりをされる方、リノベーションを考えておられる方は、工事を任せる工務店やハウスメーカーの方に「気密測定はできますか?やったことがありますか?」という質問を投げかけてみるとよいと思います。
すでに建ててしまった方も、換気扇を回した状態で隙間風が入ってくるところを探して、コーキングで埋めるなどリカバリーをすればかなり快適になるそうです。コーキング剤やコーキングガンはホームセンターでも手軽に買えますし、お近くの工務店や内装屋さんにお願いしても良いかと思います。

完成して住み始めて、「高断熱住宅のはずなのに寒い…」とならないためには必須の項目が気密測定なのです。
ぜひ、すべてのハウスメーカー、工務店さんで当たり前のものにしていただきたいですね。

診療日・休診日のお知らせ

開院日、休診日のお知らせです。

11月3日(金・祝)と、11月4日(土)は通常どおり受付、治療いたします。

11月13日(月)は所用により臨時休診となります。

朝晩と日中と気温差がとても大きい天気予報が続きますね。
風邪をひいている患者さんが多くなってきています。服装での調節をしっかりやって、温かいものを食べて養生しましょう。

もちろん、はり灸治療でも「早く治るように」体を応援できますので、気軽に相談ください。

はり灸でしていること

当院の鍼灸(しんきゅう)治療。
受けていただいた方には頷いていただけると思いますが、とにかく「何をしているかわかりにくい」です。
脈診流経絡治療(みゃくしんりゅうけいらくちりょう)と言うんですけどね。

鍼(はり)を刺された感触も無ければ、痛くもないし。
「お灸を使いますよ」と言われてもほんのり温かい程度だし。
何回も手首の脈を確認したり、肩や足首のあたりを触って何かを確認してるし。

そうこうしているうちに「はい、今日はこれでいいですよ」と治療は終了する…。

とにかく「何をしているか、わからない。わかりにくい」ものです。

それで体が楽になっていくのであればいいじゃないか、というのもありますけれど。
はり灸で何をしているのかを説明してみたいと思います。

とても端的に、難しい言葉で言えば「経絡を以て病態の虚実を補瀉し、気血の状態を整える」ということをしています。
経絡(=気がめぐる回路)の状態を整えて、体が正常に働くためのお手伝いをしているのです。
これをどう説明しようかとよく考えるのですが、このごろは一つの例え話をしています。これならイメージしてもらいやすいかなぁ、というところです。

どのような例えかと言いますと、当院のはり灸治療は、「インフラ整備」ととらえていただくのがいいかもしれません、ということです。

皆様の体をひとつの町と考えたとき、はり灸の役割とは

・凹んだ道路を直したり
・水道管の詰まりを修理したり
・停電してしまった地区へ電気を届けたり
・崩れた崖の土砂を取り除いてスムーズに通れるようにしたり

といった感じで、うまく機能しなくなってしまったものをなんとか元の性能に近い状態に戻していこう、という修理屋さんのような役割なんですね。

人の体はなかなか部品の替えがききません。移植するなどはとても大変なことですよね。
ですので、今あるものを大切にメンテナンスしながら使うことが求められます。

体にとって、鍼灸治療がそのメンテナンス屋さんだ、ということです。

当然、道路の損傷がひどければそれだけ時間もかかります。
古くからある損傷であれば、またそれが小さなものであっても積み重なっているものであれば、当然修復(変化)させるのに時間がかかります。

反対に、水道管がドンと破裂したようなケガの場合は、一日でその症状が劇的に改善するような場合も多々あります。
このようなケースでは「一回でびっくりするくらい良くなった」ということになりますね。

鍼灸治療は体の修理屋さんであるということと、定期的なメンテナンスもできますので、そのこともぜひ記憶しておいていただければと思います。

今回は短めですがこのへんで。

 

9月23日(土) 営業のお知らせ

9月23日(秋分の日)は通常どおり受付・治療いたします。

ライフプランシミュレーションのすすめ

住宅兼治療室を新築することにした鍼灸師が、計画から完成後まで、家にまつわるあれこれを書き記します。
皆様がより健康で快適に過ごせる住宅を考える上で必要なことがらを、家の性能、お金、ライフスタイルなど様々な方向から検討します。
※2022年~2023年時点でのお話となりますので、今後の経済情勢や建材の進化・改良などにより不適切な情報となる可能性もあります。
十分にご留意の上でお読みください※


今回はみんな大好きお金の話です。
住宅関連として書きますが、住宅検討中でなくても、どなたにでも聞いてほしいお話ですね。

ライフプランシミュレーションというものをご存じでしょうか。
自分や家族の現時点の年齢と収入、家計の支出項目。そして今後の年収の予想推移、今後予想されるイベント(出産、育児、教育、家の修繕や車の買い替えなど)の支出を想定し、5年後、10年後、20年後、30年後と、金銭的にどのような状況になっていくのかをシミュレーションするものです。

これが中々おもしろくて、夫婦二人のままだとこのパターン、子供が一人できたら何年後にはこういう支出が、大学は行かせてやりたいかとか、国立と私立でこれくらい違いますよとか、車は何年おきに買い替える予定にしますか?とか。
その上で、住宅ローンを組むならこれくらいの金額までは苦しくなくいけるかなとか、趣味の支出は少し減らさなきゃいけなくなるかなとか…そういったことがたくさん見えてきます。

特に子供への教育支出は驚くばかりで、人生の三大支出に数えられるのも納得です。(ほかの二つは住宅費と老後生活費、と言われます)概算ですが、世間の平均値として具体的に金額が見えると目を見張ります。

それらの「今後の支出」を予測することで、現状の家計(食費、家賃、光熱費、日用品費、通信費など)に住宅ローンや教育イベントなど様々な条件を加えて、今後生活が破綻せずにやっていけるのか、老後の資金を貯めていけるのか、子供にしてやりたい教育のお金は払えるのか等を考えます。

FP(ファイナンシャルプランナー)さんや、保険屋さんなどにお願いすれば、基本的には無料で診断してくれるところが多いと思います。
簡易的なものはウェブでもおこなえますし、興味がある人はぜひやってみてください。
金融広報中央委員会「知るぽると」などでも行えます→「ライフプランシミュレーションをしてみよう!」

あくまでシミュレーションなので、今後の自分たちの動向で変化も出ます。ですが今後のお金の心配を減らすために、またこれからどうやって稼ぎを増やしていくか、支出を最適化して豊かに暮らしていくかの方法などを考えるきっかけになるものです。

シミュレーションでひとまず家計は破綻しないことがわかった後は、これを実現もしくは最低限のラインとするためには、今後、自分が何をしなければいけないかが見えてきます。
仕事のスキルを上げたり転職したりで収入をアップさせることとか、家計の中で無駄な支出を削って少しでも貯蓄へ回すとか、将来を見越して取れるリスクの範囲で投資にチャレンジしてみるかとか。お金について真剣に考えるようになります。

健康に気を遣うというのも、そのうちの一つですね。
シミュレーションにおいては「何年後に病気をして入院」ということは基本的に考えないからです。

万一の病気の時の備えとしては…高額療養費制度を利用しつつ貯金で賄うか、それとも保険で…といったことは考えるものの、具体的に何年後に病気をして、というシミュレーションはありえないですね。

ということは、シミュレーションしたライフプランを遂行しようと思うと、その前提条件は「健康でいること」が必須となります。
日々の生活リズムを整え、おおよそ正しい食生活、運動習慣。そして定期的な検査とメンテナンス。これが基本かつ王道ですね。余計なサプリなどはあまり必要ありません。

健康でいることの経済効果というのは、実は凄いことなんですね。
自分が働けなくなるだけで、家計に与える影響は年間で数百万円以上となります。運動や食事や、歯の治療、そして鍼灸などで定期的な体のメンテナンス。ここに投資する価値は大いにあると思います。投資額に対してリターンがとても大きいのです。

さて、今回はライフプランシミュレーションのすすめから、健康に気を遣うことの大切さを書いてみました。
お金のことは本当に大事です。
学校などでお金のことを教わる機会が少ない現状ですので、自分で調べて知識を身につけないと、金銭的にはとても損をして過ごしていくことになってしまいます。

物価も上がり、生活コストはこれからも上がり続けると予測されていますので、それぞれに防衛策を考え、実行していきましょう。

私が参考にしている住宅関連の発信者

住宅兼治療室を新築することにした鍼灸師が、計画から完成後まで、家にまつわるあれこれを書き記します。
皆様がより健康で快適に過ごせる住宅を考える上で必要なことがらを、家の性能、お金、ライフスタイルなど様々な方向から検討します。
※2022年~2023年時点でのお話となりますので、今後の経済情勢や建材の進化・改良などにより不適切な情報となる可能性もあります。
十分にご留意の上でお読みください※


今回は、私が参考にしている住宅関連情報の発信者さんをまとめます。ブログなどはかなり読みごたえもボリュームもあるので最初はちんぷんかんぷんかもしれませんが、それだけ皆さんの「このままの住宅業界ではいけない」という熱量が凄いのです。
後半には「良い会社、良い営業を見極める質問」も載せていますので、最後まで目を通していただけると幸いです。

今はYoutubeやInstagramやブログなど、様々な媒体でたくさんの情報を得ることができる時代ですね。
ですが情報も玉石混交で、PV数稼ぎのために不安を煽るだけのものも多くあり、その内容は薄い、もしくは聞く価値のないものもあります。

参考にすべきは圧倒的に「実務者さん」か「学者レベルで研究や勉強をしている人」「その道のオタクとしてテーマを深堀りし続けている人」です。
私が参考にしている方々の発信内容がすべての人にとって必ず良い結果となる、という保証はできませんが…参考にしていただければと思います。

とにもかくにも、「何も考えずに『間取り・デザイン・初期価格』で家を買ってはいけない」ということをお伝えしたいのです。
ホームページやブログのリンクも併せて貼っておきます。名前の後ろの部分をクリックまたはタップしてください。

・松尾和也氏(松尾設計室)

・西方里見氏(西方設計)

・フエッピー氏(ブログ「家は、空調。」24時間全館冷房(除湿))

・本橋哲幸氏(ラクジュ‐スタイル)

・住宅四天王エース氏(Youtube:住宅四天王 エース【注文住宅の建て方解説】)

・塩澤崇氏(モゲチェック・住宅ローンのポータルサイト)

・せやま氏(家づくり せやま大学)

 

日本の住宅業界はものすごい闇だと言われます。
買い手(住まい手)のことが優先ではなく、企業の利益、営業の実績が平気で優先されるケースが多々あるとのこと。
これは戦後の焼け野原から高度経済成長期にわたって、とにかく安価で多くの住宅を供給しなければならなかった時代の名残ともいわれます。

早く、安く家が建てられる工法、建材が重視され、快適に住まうという目的が後回しにされ続けてきた結果だそうです。
しかも住宅というのはほとんどの人にとって一生に一回の買い物ですので、会社や商品を見極める目が育つはずもなく、住宅会社や営業さんの言われるがままにしてしまいたくもなります。

車の購入などは燃費を比較したり装備を比較したりしますね。そして何回も買い替えていくもののため、その都度見極める目も育ち、変な買い物はしなくなります。しかし住宅ではそれができないのです。
また車を買うとき、後部座席にはエアコンが効かないなんてことは想像もしませんね。だって後部座席にも当たり前にエアコンは効くように設計されていますし、買う側の私たちもそれを疑わないわけです。

しかし住宅業界ではなぜかそうではないことがまかり通っている、というのが現状のようです。
買い手が成長しないため、売り手もまた「これくらいでいいだろう」「国が定めた最低限の基準を満たせば、住まい手がどう感じるかは関係ない」と大きな態度でいられるのです。

筆頭に挙げた松尾氏が言うには、「住宅会社や営業さんが信頼に足るかどうかを判断する質問」として「その根拠はなんですか?」「気密測定をやっていますか?(やったことがありますか?)」という二つを挙げています。これでその会社や営業さんが具体的な根拠(数字)や実績をもって説明してくれればいいということです。
根拠がなければ、個人の感想や雰囲気で乗り切ろうとするポエムが連発されます。

「いや、大丈夫ですよ」
「今の家は、皆さんこれくらいですよ」
「十分暖かく(涼しく)なりますよ」
「数値はあまり当てになりませんよ」

等々…。

当たり前ですが、会話が嚙み合わない担当者と家づくりをしてもうまくいくはずがありません。
わざと話をはぐらかすのなら、なおさらですね。
わからないことはわからないと言うとか、「あなたの考えでは、うちの家づくりのコンセプトとは合わないと思います」と正直に言ってくれた方がよほどマシです。

先ほどの質問をしたり、松尾氏が掲げる「住宅に求める必須6項目」を満たすハウスメーカーや工務店を探すと、おそらく地域に2~3件、悪ければ1件もないという事態が起こり得るそうです。
それくらい、日本の住宅事情は遅れていると。ですがやはりここを目指さないと、暑くて寝苦しい家になったり、冬に底冷えする家になったり、光熱費がかさんでしまう家になったりするのです。

世界的に遅れている日本の住宅事情は、変わっていかなければいけないのですね。
では今回はこのあたりで。

住宅に関する優先順位の三段階

住宅兼治療室を新築することにした鍼灸師が、計画から完成後まで、家にまつわるあれこれを書き記します。
皆様がより健康で快適に過ごせる住宅を考える上で必要なことがらを、家の性能、お金、ライフスタイルなど様々な方向から検討します。
※2022年~2023年時点でのお話となりますので、今後の経済情勢や建材の進化・改良などにより不適切な情報となる可能性もあります。
十分にご留意の上でお読みください※


こんにちは。
今回は「住宅に関する優先順位の三段階」と題して書いてみます。

新築するにしても中古住宅を買うにしても、戸建てを選ぶにしてもマンションにするにしても、もうしばらくは賃貸でいくとするにしても…押さえておきたい考え方です。

あなたの「住宅に求める優先度の高い項目」はなんですか?

広くて明るいLDK。使い勝手の良いキッチン。掃除の手間が少ないお風呂やトイレ。家族や友達と楽しめる素敵な庭。趣向を凝らした趣味のお部屋…etc

人によって優先順位が異なるものはあるかと思いますが、これらはどれも捨てがたい内容ですね。
しかしこれらは、今回お話しする三段階の三段目。住まいの必須条件を考える上での順番としては最後になります。

◎最優先項目は「安全性」

住宅の役割で最も重要なことは何か。それは「命を守ってくれること」「安全であること」ですね。シェルターとしての役割が最も優先されるべきものです。
地震や台風が数多くやってくる日本においては、「耐震性」と、その耐震性を長期間にわたって維持できる「長期耐久性」がとても重要となります。これが住まいの一段階目です。

過去の大災害での被害を基に、耐震性能など建物に関する基準は改定が繰り返されています。2023年現在の耐震等級は1~3が定められており、耐震等級1は「震度6強~7の地震に一回は耐え、倒壊しない」レベル。耐震等級2はその1.25倍、耐震等級3は1.5倍の耐震強度を、構造計算によって導きだすということです。
これだけ読むと「耐震等級1があれば十分じゃないの?」と思われるかもしれませんが、「震度6強~7の地震に一回は耐え、倒壊しない」とは、言い換えれば「逃げる時間は稼げます。そのあと同じように住み続けられるかはわかりません」ということです。

熊本地震での記憶は新しいですが、史上初めて震度7の地震が短時間に2回起こったという事実があります。
実際に熊本県で被害の大きかった地域も、一度目には耐えたけど二回目で倒壊してしまった家屋があったそうです。
震度7が二回はとても珍しいとしても、巨大地震が起これば震度5弱や5強といった余震は数多く起こります。
耐震等級1では、本震を耐えたとしても余震で家の構造が耐えきれなくなり、住み続けられる家ではなくなってしまう可能性が大いにあると考えた方が良さそうです。耐震等級3を必ず備えた家づくりにしたいですね。

また、強風についても耐風性という計算があるそうですが、耐震性能が十分であれば耐風性もほぼ間違いなく担保されていると考えてよいそうです。強風に対しての備えというのは、建物のデザインであまり突飛なことをしなければ問題はなさそうです。
なお「耐震等級3相当」と謳う住宅メーカーもありますが、「耐震等級3」と「耐震等級3相当」は明確に違うことだそうですので、十分に注意してください。
「耐震」と「免震」は、車で言うと「ボディ、フレームの頑丈さ」と「タイヤ、サスペンション、エアバッグやシートクッションの性能」にあたります。
交通事故で大きなエネルギーが加わったとき、頑丈でなければ車ごと壊れてしまいます。いくら衝撃を吸収する性能が高くても、本体が弱ければ事故前と同じ性能でいることはできません。フレームが曲がってしまった車に乗るべきでないのはわかりますね。住宅においても同じで、まずは「頑丈さ」を求めるのが先となります。

住宅の長期耐久性についてですが、こちらも必ず考えておかなければいけません。日本という高温多湿であり、風水雪害もあり、地震が繰り返しやってくる土地においては、新築してもやがて建物は傷みます。いくら耐震等級3を取得していても、柱や壁がシロアリに喰われ、屋根や壁に水が滲みてカビや腐朽菌にやられてしまった家では、建築当時と同じ強度であるはずがありません。
メンテナンスは必ずいります。そのメンテナンス性を高めておくこと、さらには「あまりメンテナンスしなくてもよい性能」を住宅に備えておくことがとても重要になります。

◎二段階目は、トータルコスト

さて、そして二段階目です。ここには「気密性能、断熱性能、防犯性能など、日々の暮らしを快適にし、かつ生活コストを下げてくれる住宅性能」がきます。
「トータルコスト」と言い換えてもいいでしょうか。住まいを考えるにあたっては、これもやっぱりデザインや意匠性よりも優先されます。
ここではざっと述べますが、気密とは「家のすき間の小ささ」を言い、C値という言葉で表されます。断熱性とは「住宅の熱の逃げやすさ」を言い、UA値で表されます。どちらも数値が小さい方が高性能となります。

住宅に性能差があるということを、私も自宅の新築を通して初めて知りました。
高性能な住宅は、冬に寒くなく、夏に暑くなく、カビやダニの心配が少なく、それでいて光熱費がとても安く済むそうです。(ここはまだ、私も自分事として経験していませんので悪しからず…)

以前の記事にも書いたHEAT20のG2レベルの数値が、住宅において目指すべき基準となります。岡山県津山市や鏡野町においては、国の省エネ基準で定められている地域区分の4地域と5地域が混在しています。ですので4~5地域のG2レベルに対応した住宅性能を目指すのが良いでしょう。
UA値にして0.34~0.48が、津山市においての目指すべき数値になります。
参考:「住宅シナリオと外皮性能水準」

細かいことを言うと、数値合戦になってもあまり意味は無いそうで、冬を暖かく過ごすには日射取得といった「太陽に素直な設計」が考えられているかとか、窓や玄関ドアなど住宅開口部の断熱性能の方が重要とか、数値だけでは評価できない点も色々とあるようです。

トータルコストという考え方は、いわゆる初期費用のみ(建築費、土地代、申請諸費用など)で住宅を考えるより、そのあと10年20年30年と長期間にわたってかかるコストを考えていきましょう、ということです。
例えば、土地1,000万円、低性能住宅に2,200万円、その後30年で光熱費+修繕費などで2,000万円、計5,200万円の住宅と、
土地1,000万円、高性能住宅に2,600万円、その後30年で1,400万円、計5,000万円の住宅。

30年間で200万円はそこまで大きく感じないかもしれませんが、これに「快適な住み心地」というものが付いてきます。
30年間、夏暑く冬寒い家に住みトータルコストも高くなるのか、夏も冬も快適に過ごせてトータルコストも安くなるのか、ということです。
ごく単純な例えなので金額はテキトーですが、考え方としてはご理解いただけるかと思います。

◎最後に積むのは「使いやすさと好みの見た目」

そして最後に「デザイン、意匠性、家事動線の良い家」を考えることになります。
これを最優先にしてしまいやすいのがほとんどの人だと思います。私も妻もそうでした。また、ほとんどの住宅メーカーもここを最も強調してアピールするところだと思います。
「どういう生活をしたいか」「少ない家事動線で楽をしたい」などはもちろん考えていくことになりますが、優先度はあくまで上記の二つが高いのです。
いくらデザインが良くても、地震で壊れる可能性が高く、初期コストもトータルコストも高くなり、光熱費も高く、夏は暑く、冬は寒い住宅に住みたいですか?という話です。
逆に、二段階目で書いたように、性能の高い家では部屋干しでも洗濯物が乾きやすかったり、光熱費をあまり気にしなくて良くなるので冷房や暖房を十分に使って暮らしやすくなるといったメリットが出てきます。デザインと使い勝手は相反することもあるので、新居での基本の生活スタイルをよくイメージして間取りやデザインを考えたいですね。
家族や友人が集まったときのイベント事ばかりイメージして設備や間取りを選ぶより、まずはそこに暮らす自分たちの普段の生活をしやすくする方が優先となります。

長くなりましたが、今回はこのへんで。
次回は「私が参考にしている、住宅関連の情報発信者」をまとめたいと思います。

 

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