ブログ書いていきます。今日は東洋医学の「脉診(みゃくしん)」について。
連休のお知らせを書いてからすでに3か月近く…筆不精も困ったものです。
このところは暑かったり湿気が多かったりですね。
自然界のエネルギーから受ける影響は大きく、私たちの体もそれを受けながら日々を過ごしています。
その影響が体の許容範囲を超えれば、だるいとか頭が痛いなど、不快な症状となって表面にあらわれてくるのですね。
さて、当院の基本の治療では「脉診」という、東洋医学独特の診察法を重要視しています。
治療を受けていただいた方は「こんなやり方もあるんだな」というくらいには感じていただけているかと思います。
また、韓国や中国の歴史ドラマでは宮廷の権力争いが描かれることも多く、そこには当時の医者がたくさん登場します。
その中で脉を診たり舌を診たりしている場面を見たことがある方も多いと思います。
脉を診るというのは、ある意味「伝統技術」なわけですね。
主に手首の脈(橈骨動脈といいます)を診ることが多いのですが、こめかみなどほかの部位でもある程度代用できます。
手首の脈で何を診ているのかというと、皆さんの体の「気の状態」を診ています。
気のめぐりが早いのか遅いのか
流れが滞ったり、余計なもの(邪気)が入って流れを邪魔してはいないか
余計な熱や、冷えが入ってしまってはいないか
流れが阻害されているのなら、それはどの経絡(けいらく)なのか
そもそも気の量が不足してはいないか
そんなようなことを診ています。
当院の基本の治療である「気の調整」では、痛みやコリだけではなく内科疾患や精神疾患の患者さんにも対応しています。
これは、気というものが私たちの体をめぐっていて、生理活動すべてをつかさどっていると考えられているので、体を流れる気の調整をすることで、内臓の働きや、精神的な部分までもよい状態へと導くことができるからです。
全てを脉で判断しているわけでもなくて、問診でお聞きした内容や、体に出ているツボの様子と合わせて総合的に判断するのですが、中でも脉を診て得られた情報は重要と位置付けられています。
また、脉は「陽中の陽」に属していることで「変化が早い」という大きな特徴があります。
したがって、ツボへ鍼をしたあとの体の変化を判定するためにも、とても役立つ診察ポイントなのです。
東洋医学的に診察・診断をし、治療をおこなうまで、そのすべての過程で脉診は重視しています。
脉診をおこなう鍼灸院は業界の中でも少数派なのですが、古代の英知を現代に継ぐ者たちということで貴重なんだな、とお考えいただければとても幸いです。