鍉鍼(テイシン)について

まだまだ多くの人に馴染みの少ない鍼灸治療。

鍼(はり)と聞くと「刺されるんじゃん」「痛そうだし」というお声はたくさん聞きます。

たしかに「はり」と聞くと縫い針や安全ピンの針が刺さった時の痛みを思い浮かべますし、
あの不意を突かれた痛みはとても嫌なものですね。

ですが、ご安心頂きたい。

はり治療に用いる鍼の細さはだいたい髪の毛くらいで、想像するような痛みはまず有りません。
もちろん「針の形」はしていますので粗雑に扱えば軽く痛みますが、
それは鍼灸学校に入学したての半年間に私たちがしっかり経験しております。
皆様にその痛みを感じさせることはないと言えます。

そしてはり治療に使う道具は「刺さる形のはり」ばかりではなく「刺さらない形のはり」もあるのです。

鍉鍼(テイシン)や圓鍼(エンシン)と呼ばれるものがそれです。

中国で出土した「古代九鍼」と呼ばれる様々な形をした鍼治療の道具があるのですが、
その中に「刺さる形状ではない鍼治療の道具」があったのです。

それらは体を流れる気を整えるための道具であって、「刺す」ことを目的としないのです。
だから当然ですが、痛みを感じることもありません。

写真にある通りの形でして、先についている丸っぽちをツボに接触させて気の働きを調整します。

実際に施術を受けている方からは「先生、いま鍼してるん?」とよく聞かれるほど、皆様には鍼の感触はわからないものです。

痛い施術でなく、身体が治る方向へ動き出す

ということが一つの理想だと思いますので、こういう施術法を選択しているのです。

お医者さんで出された薬も飲んでいる瞬間に「すっごく効いてる!!」ってなりませんよね?
飲むときは何も感じないけど、身体はそこから(消化吸収含め)反応し始めて変化が始まります。

治る感覚というものはとても地味なものです。
一撃で治る魔法のような現象もありえないわけではないのですが、とても稀なものです。
感じている痛みは減っても、傷んだ細胞が一瞬で修復されたわけではないからですね。

刺さない鍼とは話がずれてきましたが、多くの方が持っている鍼治療のイメージとは異なるものもある、ということを知っていただければと思います。

鍼治療は痛くない

皆様の当たり前の感覚にしていきたいです。