気の病、血(けつ)の病

こんにちは。はりきゅうのすすめ、大林です。

台風10号が近づいていまして、患者さんのキャンセルもありでこの記事を書いています。
大きな被害が出ないよう祈るばかりです。

さて、今日は東洋医学の観点からみて患者さん、つまり皆様の状態がどう見えているかを書いてみます。

東洋医学ではヒトの体を気血の集合体として観察します。
気は、見えないけれど各種の「はたらき」として観察できるもの。
血(けつ)は、見えるし、触れる。具体的に形となって表れているもの。

ざっくりとした説明ですが、イメージは持って頂けるかと思います。

鍼灸治療院を訪れる皆様の症状は、痛みをはじめとして本当に様々です。
ですが大きく分けると、皆様の症状・お悩みは気の病と血(けつ)の病のどちらかに分類できます。(両方の状態を呈している方も、もちろん大勢います)

気の病とは、実際に触れる形となって現れてはいないけれど、皆様が体の症状として感じているもの。
血の病とは、腫れていたり、形が変わってしまっていたりするもの。

気の病として代表的なものは、「病院の検査で引っかからないけど、体の症状として感じている」というものたち。。。
具体的には不眠であったり、やる気が出ないとか、けだるいとか、腫れてもいないけど痛いとか…。

血の病としてわかりやすいものは、捻挫や打ち身とか、皮膚の発疹や蕁麻疹とかですね。

これらを観察していくことで皆様の体の状態として、気の変動が大きいのか、血の変動が大きいのかを把握していきます。
そして気の変動と血の変動、もしくはその両方かを把握したら、
治療においてはその日その時の体の状態に応じたはりやお灸の使い方を心がけて整えていきます。

今日のお話は、どちらが治りやすいかといった話ではありませんので、その点はご了承ください。
まだまだ世間では理解の少ない東洋医学からみた考え方を、少しでも知って頂ければ幸いです。

お読みいただき、ありがとうございました。

おおばやし

気の調整~経絡(けいらく)とは??~

昨日は東洋はり医学会 瀬戸内支部の定例会でした。

古典に基づいたはり灸の治療理論を研究・追試して、より良い治療効果を出すための技術を学び合う会として活動しています。
(東洋はり医学会のHPはこちら→https://www.toyohari.net/)

私もこの会の瀬戸内支部長として、岡山県を中心に同じ指針で鍼灸治療をしているお仲間と研修会を続けています。

当院が採用している「経絡(けいらく)治療」とは、身体を流れる気の調整です。

「気」と聞くとイメージはしにくく怪しげにも聞こえますが…はるか昔の中国の人々は「気」という概念を用いることで、
昼だとか夜だとか、季節の移り変わりであるとか、身の周りの様々な現象を説明できることに辿り着いたようです。

気という、見えないエネルギーを仮定することで自然現象を理屈づけて、
自分たち人間も自然の一部、天地の影響を受けて暮らしているという考え方から、
人間にも気はめぐっているもので、その気のめぐりが悪くなったときが病気であるとしたのです。

…と言っても不確実なものではなく、
 膨大な数の「仮説と検証」を繰り返してきた結果、
 どうやら確からしいというものが現在に残っているわけなので、
 長い歴史に耐えてきたということから古典的な治療理論もバカにすることはできません…

とてもざっくりとした説明で恐縮ですが、そんなところです。
そしてその気のめぐり方を調整する手段として、薬草を使ったり、はりとお灸を使ったりしてきたのです。

ヒトの体を流れる気には様々なルートがあり、その主なものを「経絡」と呼んでいます。
その経絡は内臓である五臓六腑に根ざしていて、それぞれの性格・性質を持った特定の経が、
「環(たまき)の端なきが如く」と言われるようにそれぞれ連絡をし合いながら、
私たちの生命活動を営んでくれています。

はりとお灸は、この経絡の上に現れるツボに対しておこない、
その流れ方を補ったり、余計なものを取り除いたりする目的で使います。

実際の治療では、一見すると症状とは関係なさそうな場所のツボを選んで使うことも多いのですが、
これは経絡の状態とつながり方を考えてツボを選んでいるということなのです。

また、経絡を用いて気の調整をおこなうと、症状の緩和、改善とともに、
「生命力の強化」とも言えるような体質改善の効果も期待できます。

具体的には、
同じ仕事量でも疲れの残り方が違うだとか

日常の行動範囲が広がるだとか
今までやる気が起きなかったものに取り組む意欲が出てくるだとか…。
そういった「前とは何か違うな」という感覚の変化として感じていただけることが多いものです。

これらは少々不思議な気がするかもしれませんが、
気の調整のための鍼灸治療であれば、段々とそのような変化も実感して頂けると思います。

不思議に思える東洋医学の世界を、これからも少しずつご紹介していきます。